プルルル プルルル

家の電話がなった。

こんな時間に誰だろう?

「もしもし。」

「元気か。」

いきなり元気かって、まず名前名乗ってくださいよ。でもなんだか懐かしい声だな。

「あの、誰ですか?なんだか聞いた事がある声ですけど。」

「すまん。柊だ。」

柊!?でもなんで?あっちにいるんじゃないの?

「どうして柊がと思っているだろうが、天羽の能力を忘れたわけではあるまい。」

「そうだった!そういえば天羽は時を越える能力を持っているんだった。じゃあ他の皆も来てるの?」

「ああ。小鳥遊とみさきもな。荵も来ているらしいが、お前は会わない方がいい。」

「みさき!?どうしてみさきまで。みさきはあっちの人間でしょ?もう兄さんのことは私知らないってことにしようと思ってるの。」

「ああ。だが、もうあちらの世界に用はない。我らは荵についていただけのこと。荵はこちらに来ているし我らはあちらの世界になど用はない。
みさきはただ一人になりたくないと言っていた。だから連れてきたまでのこと。」

柊はそう淡々と答えた。

「そう。みさきが認めているのなら私は反対しない。」

「そうか。」

「ねぇ。住所を教えてくれない?」

「何故だ。」

「結婚式の招待状を送りたいから。一ヶ月後に私、結婚するの。」

「あの土方と言う男の事はもう諦めたのか。」

そうか。柊は歳三さんが死んでしまったと思っているのか。

「ううん、違うよ。私は歳三さんと結婚するの。こっちの世界でまた歳三さんと巡り会えたから。」

「そうか。分かった。住所は○○市△△町××番地だ。」

「分かった。じゃあね。」

「ああ。」

ツーツーツー

電話が切れた。

どうして柊は家の番号を知っているんだろう。

「電話、誰だったんだ?」

「柊からだった。」

「柊?ああ、あの西の鬼の頭領とか言ってた奴か。結婚式に呼ぶんだろ?」

「うん。もうそろそろ招待状出さなきゃいけないね。」

「明日、仕事に行くついでに郵便受けに出しておく。」

「ありがとね、歳三さん。さぁ寝ようか。」

「そうだな。」

私たちは言葉を交わし、眠るためにベッドへ向かった。