兄妹の鬼の先に待つもの






「少し待っててくれ。」

歳三さんはリビングを出て近くの部屋に入っていった。

少しして戻ってきた歳三さんは神妙な面持ちだった。

「桜、俺と結婚してくれるか?」

私は歳三さんから願ってもない事を言われてまた泣いてしまった。

「もちろん!!」

涙で汚れた顔で笑って答えた。

「桜はこっちに来てから涙もろくなったな。」

歳三さんは笑ってそう答えた。

「そうだね。」

「安心したら桜が作った飯が食いたくなった。作ってくれ。」

歳三さんはそう言って笑った。

「冷蔵庫に何か入ってる?」

「ああ。野菜、魚、肉が入っている。」