兄妹の鬼の先に待つもの






そう言われ、車から降りると最近立ったばかりの高級マンションが目の前にあった。

「ここに住んでるの?」

「まあな。」

歳三さんはそう言ってマンションに歩いていった。

「何階?」

「一番上。」

一番上?ていうことは最上階!?

歳三さん、こっちに来てから稼いでるんだなぁ。

エレベーターで最上階まで一気に上がっていった。

歳三さんの部屋は、シンプルな造りだった。

「適当に掛けてくれ。」

「わかった。」

「なにか飲むか?」

「じゃあお茶で。」

歳三さんは上着をソファに掛け、キッチンに行った。

こっちに来てから、間もないはずなのに慣れてるんだな。

「暖かいので良いだろ?」

「ありがとう。」

歳三さんは相変わらず、温かい緑茶が好きなようで緑茶のティーパックしかないようだった。

歳三さんが私に話しかけてきた。

「今、何処に住んでいるんだ?」

「大学の近くに。」

「俺達、恋仲だよな?」

「うん、そのつもりだけど。」

歳三さんにそう言うと、ほっとした表情になった。

「そうか。良かった。」