兄妹の鬼の先に待つもの





「なあ、積もる話もあるし俺の家に来ないか?」

私はそう聞かれ、頷いた。

歳三さんは自分の車と大学の教員免許を持っていたらしく、今の大学で三年間働いているらしい。

車であれから今までの話をしていると、唐突に歳三さんは問いかけてきた。

「兄貴のことはもういいのか?」

「どうして...?」

「最後に兄貴はお前を残してどこかに行っていただろ。」

「兄さんは私をものと思っていた。だからもう兄さんを兄さんと思わないことにしたの。」

「そうか。着いたぞ。」