私が目を覚ました場所は、自分の部屋だった。
夢だったのか?と思ったが、自分が着ていた物を見て夢ではなかったことがわかった。
歳三さんを探さないと...!
私は急いで着替え、走って歳三さんらしき人を探した。
だが、何処にもいなかった。
家に戻り、階段を上りかけた時に義理の母親が話しかけてきた。
「やっと起きたのね。あんた三日間寝てたのよ。」
そう言われて私は驚いた。
まず義理の母親が話しかけてきたこと、それから3日しか経っていなかったからだ。
「明日は卒業式なんでしょう?」
今まで関わって来なかったのにいきなりどうしたのだろう?
明日は卒業式だったんだ。すっかり忘れていた。
そうだ。ここにくる前の試合は私がやっていた高校最後の剣道の試合だった。
「そうだけど。貴女は私の母親じゃないんでしょう?私、知ってるんです。」
「そうよ。私はあんたがいつ出て行くのかを聞きたかっただけ。
あの人の遺産で大学やらなんやらに行ってくれない?」
なんだ、そう言うことか。
今すぐにでも出て行こうか。
「わかりました。今日出て行きます。それで良いですか?」
「そう、マンションの保証人にならなってあげるわ。だから今日不動産屋に行ってきて。
決まったら連絡してちょうだい。」
私は、そのまま不動産屋に向かった。
卒業式には出席せず、私が通う予定の大学の近くのマンションに決めた。