桜side
「いやっ!嫌だよ!死ぬなんて言わないで!!
私が力を使うから!お願いだからっ...!
そんなこと言わないでっ...!」
私が歳三さんにそう告げると、
「それは...だめ...だ...!
桜...まで死ん...でしまう...!」
歳三さんは言った。
私のせいでっ!
私なんか生きてる意味なんてないのに!
歳三さんが生きてる方がよっぽどっ...!世の中もそう望んでるはずなのにっ...!
"桜、桜"
そうどこからか声が聞こえてきた。
私は泣きながら周りを見回した。
"桜、私はあなたの中にいるのよ
貴方はそんなに土方のことが好き?"
もちろん!!この世で一番愛してる!!
"そう、わかったわ
貴女の鬼の力に治癒があるのは知っているわね
その血を土方の傷に少しだけ、垂らすの
どちらにしろ死んでしまうけれど、貴女が現世に戻ってから土方は必ず目の前に現れるわ
でも彼が死ぬ前にやらないと意味はないの"
ホントね?
私はそう問いかけたが、もう私の中から声は聞こえなかった。
私は先程放り投げた刀を取り、手首を少し切って、歳三さんの傷に数滴垂らした。
「な...にを...?」
「私が元いた世界で会いましょう。」
歳三さんはその言葉を最期に綺麗に微笑んで息を引き取った。
少ししてからこちらに向かってくる足音が聞こえた。
ドンドンドンドン
「土方さん!大きな音がしたが、大丈夫...おい桜がどうしてここに?
っ...!それよりどうしたんだ!土方さんっ!!」
「歳三さんは死んでしまった。私のせいで。」
現世に戻れる方法...もしかしてここにきた時と同じで死ねばいいのかな?
「どうしたっ!!何があったんだ!!」

