ということは、桜は自分の意思でやっている訳ではない?

俺はそれを確かめるために桜が切り掛かってきた瞬間、桜の腕を引いて抱きしめた。

桜はしばらく暴れていたが、俺が話し始めると動かなくなった。

「桜?俺のことは忘れたのか?
お前は俺のことはどうでもいいと思っているのか?」

俺が話し終えたとき、桜は震えていた。

「うっううっ。歳三さん...。」

桜は俺の名前を呼んで泣いていた。

「いやっ、いやっ!やめて!いやぁ!」

桜はそう言って刀を握り直した。

「どうしたっ!桜っ!」

「いやぁーーー!!!」

桜は苦しみながら俺の体を押した。

「歳三さんっ!こっちに来ないで!!」

桜はそう言って刀を持っている左手を右手で押さえた。

それでも桜の左手は自分の右手を刀で斬りつけ、俺に向けてきた。