一口かじってみると、いい感じに塩が効いたおにぎりだった。

「おにぎり、すごく美味しい。」

私は1つを直ぐに食べ終わり、お腹がいっぱいになった。

それから私は土方にお礼を言うために部屋に向かった。

「土方、入ってもいい?」

「ああ。」

そう返事が返ってきたので、私は障子を開けた。

「どうしたんだ?」

土方は振り向いてそう言った。

「おにぎり、すごく美味しかった。でもお腹がいっぱいだから土方に食べてもらおうと思って。」

私はそう言って、土方に残りの2つを渡した。

「1つしか食べてないじゃないか。3日も寝てたんだ、せめて半分でも食え。」

そう言って土方はおにぎりを半分に割って渡してきた。

「わかった。」

私はそう言って半分を受け取り、口の中に入れた。

「やっぱり凄く美味しい。これって土方が作ったの?」

「ああ。お前のために作ったんだ。」

「ありがとう。土方っておにぎり作るの上手いんだね。料理は作れるの?」

「まあな。家が百姓だったから、姉貴に色々教えてもらったんだ。」

そう言って土方もおにぎりを食べた。