里を出た私は暗くなった道を屯所に向かって走っていった。
屯所について私は土方の部屋に向かった。
「土方?入っても良いか?」
「ああ。」
私は深呼吸をして、部屋に入った。
「遅かったな。あと半刻遅れていたらお前は切腹だったぞ。」
土方は冗談混じりにそう言った。
「ああ、そうだな。」
私がそう言うとは思っていなかったのか、土方は筆を置いて私を見た。
「お前、熱があるのか?」
「どういうことだ。」
「いつもは受け流しやがるから。」
「クスクス。」
私は少し笑ってしまった。
「お前!?笑えるのか?」
土方は少し顔を赤くしながらそう聞いてきた。
「顔が赤いが、土方こそ熱があるんじゃないのか?」
「いや気にしなくていい。」
「そうか?分かった。」
もうこの強がった口調じゃなくても良いかな。
私はそう思い、ここに来る前の口調に戻した。