兄妹の鬼の先に待つもの






私たちが部屋に入って少し経ってから二人の芸妓が入ってきた。

「土方はんいつもようしてもうてありがとうございます。
今日はもう1人連れてきてくれはったんですね。」

「ああ、この店が一番呑みやすいからな。今日連れてきたこいつは酒を呑んだことがない。」

「そうどすか。では一番弱いお酒からでよろしおすね。
それにしてもあんさん別嬪さんやなぁ。お名前聞かせてください。」

「神崎。あんたたちは?」

私はそう言って、さっきからずーっと話している芸妓を見た。

「私は太夫(こったい)のあけぼの言います。よろしゅう。」

「私は天神の菊野言います。今日は姉さんについて来ました。よろしゅうお願いします。」

あけぼのさんと菊野さんはそう言って綺麗に微笑んだ。

それからお酒も進み、私はかなり呑んでいたがまったく酔わなかった。私はお酒に強いみたいだ。
だが、土方は下戸だったらしくほんの2、3杯で酔ってしまった。

先ほど芸妓が入ってきたときからなにかわからないが感じるものがあった。

そんなことを考えていたときに太夫のあけぼのさんが私に話しかけてきた。

「少しよろしいですか?」

そう郭言葉を使わずに話しかけてきた。

私は頷くと廊下に出た。