兄妹の鬼の先に待つもの






いつの間にか土方は私についてくる形になっていた。

「案外、素直に付いてくるものだな。」

私はそう独り言を呟き、前だけ見て歩いた。

みさきは一向に起きる気配が無い。息はしっかりしているから問題無いとは思うが。

とにかく早く屋敷に連れ戻して、休ませないと。

「ここだ。」

あれからしばらくくねくねとした道を通り、やっと屋敷の裏側に着いた。

私が初めてここに来た時に通った裏口を、また通る羽目になるとは思わなかった。

「ただいま。」

私はそーっと誰も起こさないように、小さく声をかけた。