兄妹の鬼の先に待つもの






「土方、入るぞ。」

私はそう言ってみさきを抱いたまま、副長室に入った。

「どうした?」

「今からみさきを屋敷に戻しに行く。私一人で行くのは納得できないだろう?
だから監視役に土方お前もついてこい。」

私がそう言うと土方は少し驚いたような顔をして、私の方に向き直った。

「わかった。だがどうして俺なんだ?」

「お前しかみさきの存在を知らないのだろう?もしかしてほかにもみさきのことを知っている奴がいるのか?」

私がそう聞くと土方は「俺だけだ。」そう言って刀を腰にさし、出かける準備をし始めた。

「早くしろ。」

私がそう急かすと

「もう終わった。」

土方はそう言って副長室を出て行った。