「いってきます。」

そう小さく言って、家を出た。

よりにもよって、みさきが連れ去られるなんて。

みさきは今丸腰だし、みさきの能力はあまり1人では使えない。

早く行ってあげないと。

新選組の屯所まで行くのに町を歩いていると、町の人がお店を開き始めていた。

そのまま歩いて行くと、屯所の前に人影を見つけた。

「貴様はだれだ?新選組に何の用だ?」

私のことを知らない新しく入った隊士みたいだ。

「私はお前なんかに用はない。土方を出せ。」

私がそう言うと、そいつは刀を抜いた。

「なぜ副長を呼び捨てにしているんだ!
新選組を愚弄しているのか!?
よかろう、斬り刻んでやろう!」

そう言って向かってきたが、中から誰かが出てきて、そいつの動きが止まった。

「おい朝から騒がしいぞ。なにやってるんだ?」