「しばらく、この刀を預らせてもらう。」

柊はそう言うと、私を連れて広間を出た。

「ちょっと来い。」

そう言われて入った部屋は実験室だった。

「ここは?」

私がそう言うと、柊は

「俺の実験室だ。」

そう言って刀を実験台の上に乗せた。

しばらく刀を見つめていた柊が私の方を向いてこの刀の説明をした。

「この刀は純血の鬼がいるところでは、妖力が少しだけ静まるようだ。だが、鞘から抜くと膨大な妖力を発揮する仕組みになっている。その上、混血または鬼の力が弱い者などは自我を失ってしまうようだ。」

「じゃあ、みさきはどうなんだ?」

「あいつはまだ分からない。今からあいつを調べる。」

柊はそう言って、みさきの部屋に行った。