「ただいまー!」

みさきはそう言って、自分の部屋に戻っていった。

たぶん、買った着物をしまうのだろう。

私はとりあえず、広間に戻った。

「帰ったのか。」

そう言ったのは柊だった。

「ああ、今帰った。」

「どんな刀が買えたんだ?」

柊は真っ先にそう聞いてきた。

「もうすぐみさきが来る。その時に見てくれ。
みさきの刀について少し気になることがあった。
みさきの刀はなぜか私の刀以上に禍々しい気配がある。
あの刀がみさきの何もかもを奪い去ってしまうような、そんな気がした。柊も気にしてあげて。」

私が思ったことを柊に告げると、足音がしてみさきが入ってきた。

「あの着物着てみたよ!どうかな?」

みさきは私と柊にそう聞いた。

「似合っているよ。やっぱりそれを買ってよかったねみさき。」

「ああ、よく似合っている。」

私と柊がそう言うとみさきは満面の笑みでありがとうと言った。

「おい、お前の買った刀を見せろ。」

柊がみさきにそう言った。

「うん、いいけど。」

そう言ってみさきが出した刀は先ほどよりも禍禍しい気配が少し減ったものだった。

どういうことだ?先ほどは妖気が漂っていたのに。
もしかしてみさきにはそういったものを減少させる力でもあるのか?

「これか?」

「うん。」

柊はそう言って、その刀を受け取った。