私はみさきが持ってきた着物を見て、みさきによく似合うと思った。

それは、みさきのほんわかとしたイメージに合っていて、生地はシルクのような肌触り、色はピンクで、そのピンク色の生地に菜の花が描かれているものだった。

「すごく似合っている。」

みさきは少し頬を染めて

「荵お兄ちゃんにも褒められるかな?」

と言っていた。

もしかしてみさきは兄さんのことが好きなのかな?

そう思いながらもなにも口に出さず頷くだけにしていた。

「帰ろうか。」

私たちはまた手を繋いで帰っていった。