私と土方はみさきが入っていった甘味処の前にある店の裏で話していた。

「神崎。お前、戻ってくるつもりはないのか?」

暫しの沈黙の後、土方がそう言った。

「私はあそこに戻るつもりはない。
もう私は人間に同胞を傷つけられるのは嫌だ。
だから私が守る。」

私がそう言うと土方は少し黙っていた。

「用件はこれだけか?私はみさきを待たしているんだ。」

「もう一つだけ。お前はあの女の子まで人斬りにするのか?
あの子はまだ20にもなってないだろう。」

「私だって良心が痛んださ。でもあの子が自分からやると言ったんだ。私はあの子の、みさきの意見を尊重したいだけ。
もういいか?私はあの子の元に戻るから。じゃあな。」

「ああ。」

土方にそう言って私はみさきがいる店に戻った。