そうだよ。 そんなことに、なんで今まで気付かなかったの? 今日は絶好のチャンスの日じゃん。 ふふ、いいこと思い付いちゃった。 ーードンッ 「わっ」 そんなことを考えていると、後ろから誰かに思いっきり押された。 バランスを崩したあたしは、とっさに隣にいた久間君の腕を掴む。 ホームに滑り込んで来た電車のドアが開いて、次々と人が降りて来た。 「ご、ごめんっ!」 ーーギュッ 「いいから、このまま掴まってろ」 離れようとしたあたしの腕を久間君が強く握る。