パンジーの咲く頃に

「お願い…何でもいいの!好きな食べ物でも飼ってる生き物でも…」

私は、紗江のこの顔に弱い。上目遣いで見上げるように見るのは反則っていうか。

「でも…私情報屋じゃないよ…?」

思い切りカミングアウトした。いや、本当に違うし。

紗江は私を見て、にっこり笑って

「大丈夫!みんなにはナイショにしてるから!!」

え…?ちょっと、お嬢さん…

「ん!!時間が!!パパ来てるじゃん!パパに怒られる!!」