「お前ら、暴走の前にこいつを紹介する」
お姫様を自分の一歩前に出させた湊。
「姫野未衣です。よろしくお願いします」
お姫様の自己紹介は、コンパクトにシンプルだった。
一礼して湊とまた並ぶ。
「「お願いしますっ!」」
「「未衣さん!よろしくっす!」」
下っ端との揉め事の心配はしなくていいらしい。
嬉しそうな、安堵したような表情の下っ端達。
性格悪い奴って、どんなに隠そうとしても滲み出るもんね。
人を見る目のあるこいつらは、きっと彼女がいい子だと判断したのだろう。
「じゃあ暴走すんぞ。準備しろ。」
そして暴走が始まった。