眠り姫と総長様 II


「最後。夏輝。」


夏輝と呼ばれたのは、部屋に入ってからずっとあたしを睨んでいる金髪の男の子。



「やだ」


「夏輝。あとはお前だけだ。」


「やだっつてんだろ」


「夏輝。命令だ。」



自己紹介を断る金髪に、総長の顔をした湊が命令する。



「ちっ。平 夏輝。【蒼炎】総長。

絶対よろしくなんてしないからな!」



この人は、全身で "女" と言う生き物を拒絶している。



あたしを警戒するその瞳の奥には、恐怖という感情を秘めている。



わかるよ、その気持ち。