「最後。夏輝。」 夏輝と呼ばれたのは、部屋に入ってからずっとあたしを睨んでいる金髪の男の子。 「やだ」 「夏輝。あとはお前だけだ。」 「やだっつてんだろ」 「夏輝。命令だ。」 自己紹介を断る金髪に、総長の顔をした湊が命令する。 「ちっ。平 夏輝。【蒼炎】総長。 絶対よろしくなんてしないからな!」 この人は、全身で "女" と言う生き物を拒絶している。 あたしを警戒するその瞳の奥には、恐怖という感情を秘めている。 わかるよ、その気持ち。