眠り姫と総長様 II





その後も沢山質問されて、こってり三時間怒られた。


……正座、辛かったなぁ。


足が痺れて立てなかった。


皆が気をきかせてくれたのか、今湊と総長室に二人きり。


「未衣……頼むからもう居なくなるな。」


「うん……」


相当弱っていた湊。


言葉が少し震えている。


「俺にはお前しか居ないんだ……」


「あたしも湊しか居ないよ。」


「なら、何故頼らない。
俺じゃあ……ダメか?」


「ダメじゃない……ダメじゃないの。

あたしが弱いから……!湊に知られたくないの!」


「お前は弱くなんかねぇ。
弱い人間は、俺たちの為にここまで動いてくれねぇよ。
お前は強い。
だけど……お前のその頼りなさ過ぎは良くねぇ。
もう少し、周りを見ろ。
お前に頼って欲しいと願う奴は沢山いる。
頼る事をお前は覚えろ。」


「うん……」


湊の言葉の一つ一つが、あたしの心にスーッと溶け込んで行く。


湊の温もりって、本当に落ち着く。


誰よりも、一番安心出来る。


あたしがあたしで居られる、安らぎの場所。



「だから教えてくれ。
お前は…何を背負ってる?」


「……まだ、湊は知らなくて良いの。」



知られたくない。


だけど、どうやらあたしは湊の押しに弱いらしい。


「未衣……ダメか?」


そんな切ない声で言われたら、


「……良い」


そう言うしかないじゃないか。