その後も沢山質問されて、こってり三時間怒られた。
……正座、辛かったなぁ。
足が痺れて立てなかった。
皆が気をきかせてくれたのか、今湊と総長室に二人きり。
「未衣……頼むからもう居なくなるな。」
「うん……」
相当弱っていた湊。
言葉が少し震えている。
「俺にはお前しか居ないんだ……」
「あたしも湊しか居ないよ。」
「なら、何故頼らない。
俺じゃあ……ダメか?」
「ダメじゃない……ダメじゃないの。
あたしが弱いから……!湊に知られたくないの!」
「お前は弱くなんかねぇ。
弱い人間は、俺たちの為にここまで動いてくれねぇよ。
お前は強い。
だけど……お前のその頼りなさ過ぎは良くねぇ。
もう少し、周りを見ろ。
お前に頼って欲しいと願う奴は沢山いる。
頼る事をお前は覚えろ。」
「うん……」
湊の言葉の一つ一つが、あたしの心にスーッと溶け込んで行く。
湊の温もりって、本当に落ち着く。
誰よりも、一番安心出来る。
あたしがあたしで居られる、安らぎの場所。
「だから教えてくれ。
お前は…何を背負ってる?」
「……まだ、湊は知らなくて良いの。」
知られたくない。
だけど、どうやらあたしは湊の押しに弱いらしい。
「未衣……ダメか?」
そんな切ない声で言われたら、
「……良い」
そう言うしかないじゃないか。


