誰も口を開かないまま、倉庫の中に入る。
下の子達は先に戻っていたみたいで、あたし達を迎えてくれた。
「未衣さん!お帰りなさい!」
「もう消えないで下さいよ!」
「俺たちの心臓持たないッス!」
「男ばっかでムサかったんッスから!」
湊と同じような事を言われた。
「皆ただいまー!
心配かけてごめんなさい。」
頭を下げて謝りたかったんだけど……車を降りると湊にまたお姫様抱っこをされた為出来ないのだ。
あぁ。ここはあったかい。
大好きなあたしの居場所。
ボロボロなのに、輝いて見える皆。
すごく笑顔で、怪我なんて忘れてるくらい楽しそうだ。
湊が幹部室に行こうとするから、必然的にあたしも幹部室に行く事になる。
後ろからこーちゃんと海くんも付いてきている。
ガチャ
久しぶりの幹部室は……荒れてる。汚い。それに限る。
あたしが居た時、こんな汚くなかったんだけどなぁー。
灰皿一杯のタバコにお酒の缶にお菓子の袋に弁当の箱の放置。
おまけに……
「ドラム缶?」
何故か部屋の隅に、ボロボロの大量のドラム缶が転がっている。
こんな物、なかったよね?
「あーそれはさ、湊のストレス発散道具。この一ヶ月で5個壊したよ。こいつ。」
ウヒャヒャヒャと笑えば、「ってぇ…」切れた唇が痛んで涙目のこーちゃん。


