眠り姫と総長様 II



「おい待て。」


みーくん達が帰って来るのを待って、報告もしなくちゃいけないから帰ろうとした。


……明日にでも顔を出そうかと思ってた。


湊は、それも許してくれないらしい。


仕方なく、足を止める。



「お前は、何を背負ってる。




戻って来い。未衣。」



何を背負ってる……か。


まさかそんな事を聞かれるなんて思わなかった。


でもね?


「皆には……湊にだけは、知られたくない。



ーーーーーーーーまたね。」



湊には、知られたくないの。


知ってしまったら、きっと嫌われる。


弱い私は…あたしは、逃げるしかないの。


知らなくて良い。知ってはいけない。


背負ってる訳ではないけど、裏社会においての私の立場は……

ほんの一握りの、上層部の人間しか知らないから。


湊がそれを聞くなら、私は逃げる。


明日行こうと思ってたけど無理かなー?


またね。湊。


次に会うのは会合の時かな?


そんな事を思いながら、私は今度こそ倉庫を出た。