眠り姫と総長様 II







未衣side



みーくん達は、山崎組を潰す為に関西に向かっている。


私は組員が殺鬼の倉庫に仕掛けた盗聴器を使って、倉庫の近くに車を止めて中の様子を盗聴している。


本家の方から50人程の組員を借りた。


それぞれの場所で待機していて、私が合図をすれば倉庫にすぐ入れる。



殺鬼増員するのも、最初がダミーなのも知っていた。


だからこそ、
パパが創った龍神を……
皆の居場所である大切な龍神を……

私も護らなければならない。


皆が護ってきた龍神を、私も護らなくちゃいけない。


私情を挟んでいるけど、今回力を貸してくれた組員には本当に感謝している。


『いけぇぇぇぇぇ!』


……だか何だか忘れたけど、スピーカーから殺鬼の総長の声が聞こえる。


多分、増員して自分達が勝てると思ってるんだろう。


そんな事させないけど。


殺鬼が増員して、龍神は押され気味。


私は車で隣に居る側近の睦月に指示を出す。


「むぅちゃん、倉庫前に待機。」


「御意。」


むぅちゃん、はすぐに電話で組員を倉庫前に待機させる。


後は……


「あのクズが、湊を殺そうとするのを待つだけ。」



ふふふっ。