俺は、湊と組員から未衣に目を移す。
「私、ここまで怒った事なんてないからさぁー。
手加減出来るか分からないんだよねー?」
もしかしたら殺しちゃうかもー、と
クスクス楽しそうに笑っている未衣。
「お、俺は……ひ、こっち来んなっ!」
腰を抜かしたのか、尻餅をついて後退ってる向こうの総長。
「ねぇ、湊に何しようとしたの?
拳銃なんて向けて。」
「つ、翼さんの命令で……高宮を殺………ぐあっ!」
「えー、聞こえないなぁー。もう一回。」
見てるこっちが可哀想になるくらい、ガタガタと震えている向こうの総長。
そんな向こうの総長を、容赦無く蹴り上げた未衣。
……痛そうだ。
「お嬢、手は出さないと組長とあれほど約束したでしょう。
それは我々の仕事です。」
そして、さっき湊と話していた組員がいつの間にか未衣の隣に立っていた。
……瞬間移動したのか?こいつ。
「手は出さないって約束したけど、足は出さないって約束してない。」
「……それ、屁理屈です。」
「皆を傷付けたんだから、死ぬ覚悟があるって事でしょー?」
ふふふ、と不気味な位この場に合わない笑い方をする未衣。
「どうやって死にたい?ん?
勝手に死んでくれるのが有難いけど、お前だけはそんな事許してあげない。」
……分かった。
未衣が笑ってるのは、自分を抑える為だ。
冷たい笑顔を剥がせば、すぐにでも向こうの総長を殺しに掛かると思う。
だからか、未衣からはとても殺気を感じる。
我慢しているのが丸分かりだ。


