眠り姫と総長様 II


半分は倒したけど、もう体力の限界だった。


下っ端は殆ど倒れていて、俺たちもフラフラだ。


少し気を緩めれば倒れる。


言えば、ピンチだ。


マジで潰れるかもしれねぇ。


10代まで続いて来た龍神を、俺たちの所為で途切れるかもしれない。


湊は、相手の総長とまだ殺り合ってる。


どうやら短気なだけではなかったらしい。


伊達に総長を名乗ってるだけあって、取り敢えず喧嘩は出来ている。


「てっめぇ、ふざけんなよ!」


「………」


「なに無表情で澄まし顔で喧嘩してんだよ!」


……なんかよく分かんねえ事でキレてるけど。




「こ、きさん……す、ませ……」


「ああ、よく頑張ったな。」


最後まで立っていた龍神の下っ端が殺られた。


今立っているのは、俺たち幹部以上と殺鬼の4分の1。


どう考えても俺たちが負ける。


こんなんじゃ、先代に顔を見せられねぇ。


最強だと言われていた龍神が、絶体絶命の危機だ。


俺たちは、自分達を過大評価しすぎていたのかもしれねぇ。