半分は倒したけど、もう体力の限界だった。
下っ端は殆ど倒れていて、俺たちもフラフラだ。
少し気を緩めれば倒れる。
言えば、ピンチだ。
マジで潰れるかもしれねぇ。
10代まで続いて来た龍神を、俺たちの所為で途切れるかもしれない。
湊は、相手の総長とまだ殺り合ってる。
どうやら短気なだけではなかったらしい。
伊達に総長を名乗ってるだけあって、取り敢えず喧嘩は出来ている。
「てっめぇ、ふざけんなよ!」
「………」
「なに無表情で澄まし顔で喧嘩してんだよ!」
……なんかよく分かんねえ事でキレてるけど。
「こ、きさん……す、ませ……」
「ああ、よく頑張ったな。」
最後まで立っていた龍神の下っ端が殺られた。
今立っているのは、俺たち幹部以上と殺鬼の4分の1。
どう考えても俺たちが負ける。
こんなんじゃ、先代に顔を見せられねぇ。
最強だと言われていた龍神が、絶体絶命の危機だ。
俺たちは、自分達を過大評価しすぎていたのかもしれねぇ。


