2つ隣町にある殺鬼の倉庫には、30分程で着いた。
ガシャァァァン!
陸と夏輝が二人で倉庫のシャッターを壊す。
「誰だオラァ!?」
「何者だてめぇら!」
「ここが何処か分かってんのか!?」
……くっせぇ。
酒に煙草に生ゴミに、なんか色々混じっててヤベェ臭い。
鼻が曲がる。
「龍神だ。殺れ。」
殺鬼の下っ端が総長を呼びに行く間もなく、始まりの合図を告げた湊。
「シャワー浴びねぇと未衣捜し出来ねぇな。」
……小声で、そう呟いてたのは聞かなかった事にする。
倉庫の異変に気付いたのか、やっと出てきた幹部以上。
「てめぇら誰だぁ!?」
噂通り、ここの総長は相当な短気らしい。
早くもキレてる。
「……名乗る程のもんじゃねぇ。」
いや、湊。そこは名乗ろうか!
こんな所で天然発揮しないでくれる!?
「舐めてんのかてめぇら!?」
「こんな汚ねえ所、舐めたくねぇよ。」
「ふざけてんじゃねぇぞ!」
「ちっ、面倒くせぇな。」
「聞いてんのかてめぇ!」
「あっ?聞くわけねぇだろ。クズ。」
わざと"クズ"を強調した湊の挑発に、案の定引っかかるまさかの幹部以上。