「ってか未衣、盗聴は犯罪だよ?」
「……ナンノコトカナ。」
きーくん、話飛びすぎだし。
「盗聴?山崎組にか?」
「全然違いますよ。
龍神の倉庫に盗聴器仕掛けてんでしょ、未衣。」
「………ん。」
なんできーくんがその事知ってるの。
久しぶりに倉庫に行ったあの日、幹部室に盗聴器を仕掛けておいた。
別に常に盗聴してる訳じゃないし、聞いてるのは組員であって私じゃないし。
私は湊達の声を聞くと会いたくなっちゃうから、他の組員に任せてある。
「龍神とは何だ?」
お爺ちゃんは、私が湊と付き合ってる事を知らない。
てか、言えないよね。
後が怖いし……
「龍神は全国トップの暴走族ですよ。」
「未衣は何でそんな所に盗聴なんてしてるんだ。」
あ、お爺ちゃんの質問に答えてるのは私じゃなくて何故かきーくん。
「そこの総長と未衣が付き合ってるから。」
「………あ"ぁ?どういう事だ希壱!
未衣に彼氏だと!?今すぐ連れてこい!」
……ほらね。こうなる。
「落ち着いて会長!
その彼氏、会った事はないけど会長も知ってる奴だから。」
「そんな奴ワシは知らん!」
「高宮組の若頭だよ。」
「……一樹の息子か。
確か高宮 湊と言ったか?」
「そうです。」


