眠り姫と総長様 II


「ってか未衣、盗聴は犯罪だよ?」


「……ナンノコトカナ。」


きーくん、話飛びすぎだし。


「盗聴?山崎組にか?」


「全然違いますよ。
龍神の倉庫に盗聴器仕掛けてんでしょ、未衣。」


「………ん。」


なんできーくんがその事知ってるの。


久しぶりに倉庫に行ったあの日、幹部室に盗聴器を仕掛けておいた。


別に常に盗聴してる訳じゃないし、聞いてるのは組員であって私じゃないし。


私は湊達の声を聞くと会いたくなっちゃうから、他の組員に任せてある。


「龍神とは何だ?」


お爺ちゃんは、私が湊と付き合ってる事を知らない。


てか、言えないよね。


後が怖いし……


「龍神は全国トップの暴走族ですよ。」


「未衣は何でそんな所に盗聴なんてしてるんだ。」


あ、お爺ちゃんの質問に答えてるのは私じゃなくて何故かきーくん。


「そこの総長と未衣が付き合ってるから。」


「………あ"ぁ?どういう事だ希壱!
未衣に彼氏だと!?今すぐ連れてこい!」


……ほらね。こうなる。


「落ち着いて会長!
その彼氏、会った事はないけど会長も知ってる奴だから。」


「そんな奴ワシは知らん!」


「高宮組の若頭だよ。」


「……一樹の息子か。
確か高宮 湊と言ったか?」


「そうです。」