未衣side
次の日、朝から隣県にある本家に来ている。
"篠原会"
うちよりもデカイ屋敷に入り、みーくんと隆斗と目指すのは会長室。
私のお爺ちゃんで、みーくんとパパのお父さん。
会長室に行けば、補佐である壱くんときーくんが居るわけで……
また喧嘩にならないかが心配だ。
まぁ、会長の前だからそんな失態は侵さないと思うけど。
「……俺だ。」
「……入れ。」
襖の奥から、威圧感のある深い声が聞こえ襖を開ける。
「よく来たな。
まぁ、取り敢えず座れ。」
「あぁ。」
目の前に座るお爺ちゃん
篠原 浅葱(あさぎ)
「未衣、隆斗、何時間も車で疲れただろ。
今 希壱と壱衣に飲み物を持って来させてるから少し待っとれ。」
「ありがとう。」
「ありがとうございます。」
だから二人とも居なかったのかぁ。
少しして二人が飲み物とお菓子を持って部屋に来た。
「あ、未衣昨日はお疲れ。」
「きーくんありがとー」
きーくんが飲み物をあたし達の前に置く。
壱くんは、と言うと……
ガタンッ
「これ、お前に全部やる。」
みーくんが大嫌いな甘いお菓子の入った籠を、みーくんの前に置いていた。
「いらねぇよ。客の好み位覚えとけ」
「ふーん。未衣、お菓子居る?」
「う、うん。後で貰おうかな」
「じゃあ、後で食べさせてあげるね。」
……嫌味、と言うか明らかにみーくんへの敵意丸出しでわざとそう言った壱くん。


