眠り姫と総長様 II



ーーーー龍神が動き始めたのと同時刻



篠原組のある部屋には、厳選された強者の組員達と私達が集まっている。



「失礼します。」


襖を静かに開けて入ってきた組員。


「……龍神が動きました。」


「あぁ分かった。下がれ。」


「失礼しました。」


不気味な位に上がる口角。


これから何が起こるのか、楽しみで仕方ない。


「お嬢、ご指示を。」




「……A班は言った通り、龍神にバレないよう援護につけ。

残りはーーーー
篠原組に紛れ込んだ"ネズミ"を捕まえろ。」





「「御意。」」



「"ネズミ"を食べるのが"ネコ"の仕事だ。」




「「仰せの通りに。
最高司令官。」」




姫に忠誠を誓った兵隊は、忠実に仕事をこなす。



ーーーー「今回の抗争の指揮はお前がとれ。未衣」



姫を一番に考えるお城の王様は、つくづく姫に甘い。




「裏切り者は、さようならだ。」




さぁ、夜はまだ始まったばかり。