「……クソッ!」
何度電話しても繋がらない。
ガシャンッ!
湊はイライラが収まらず、幹部室に置いてあったドラム缶を蹴る。
そのドラム缶だって、つい最近置いた物。
未衣が居なくなってから湊が暴れて、幹部室の物を壊し出すから
丈夫なドラム缶置いたんだけど……
既に4個破壊されてる。
このドラム缶も、あと少しで壊れそうだ。
おっかしいなー。
ドラム缶って人間だけで壊れる事なんてあったっけ?
「おい湊。
お前いい加減寝ろよ!」
本当ね、副総長だから湊の子守は俺なんだよ?
いつもは未衣が居るから、こんな手のつけられなくなる事なんてなかったのに……
「……黙れ。」
仲間である俺たちですら睨まれる。
こいつに、俺たちの声は届いてない。
「寝ねぇと倒れんぞ!」
「……未衣が居ねえと寝れねぇんだよ!
あいつが居ねえと俺は…………」
こんな弱気な湊を、俺たちは初めて見た。


