眠り姫と総長様 II


特に何を話す事もなく、ただ寄り添っているだけの二人。


ふと、お似合いだと思ってしまうのは仕方ない。


「なぁ未衣。」


「なぁに?湊。」


「……愛してる。」


「ふふっ。あたしもー。」



そして、何の脈絡もなく突拍子もない事を言うのがやっぱり湊で……



「俺はお前を信じてる。
…だから、話がある。」


「なぁに?」


「この写真は、お前じゃないよな?」



この写真…つまり、最近送られてくる未衣と男の写った写真。



パソコンメールから現像した写真を、湊が未衣に見せる。



「っ………!」


普段、動揺なんてしない未衣の瞳が揺れた。


その証拠に、笑っていた未衣の表情が固まっている。



この時、未衣に裏切られた気がした。