「翼さんが、こっちに来た時に金で雇ったんだ!
龍神をだんだん潰していけって!」
「ふーん」
「だからい、命だけは!」
自分の持っている情報を全部吐いた男は、命欲しさに女の脚に縋ろうとする。
「っぎゃ!………グエッ!……」
しかしそれは叶わず、今まで動く事も話す事もしなかったもう一人の男が
女に縋ろうとする男の腕を容赦なく踏む。
「…未衣に触るな。下衆。」
未衣とは、お嬢と呼ばれる女の名前。
「っ!……ぅ……」
顔面を蹴られ、男は声にならない悲鳴をあげる。
「その汚い腕、へし折ってやる。」
女に触れようとした男を、冷たく見下す男。
その瞳は嫉妬と憎悪で溢れている。


