「り、龍神は俺じゃねぇ!」
「嘘つくんじゃねぇぞ。」
地を這うような声に怯むも、違うと言い張る男。
「お、俺たちじゃねぇ!」
「じゃあ誰が殺ったんだ」
「城田蓮は確かに俺たちだ!
だけど龍神は違げぇ!信じてくれ!」
必死に懇願する男の発言に、新たな問題が生まれた。
最近、相次いで闇討ちに合っている龍神の犯人はべつにいる。
やっと捕まえたこの男ではないとすると………
きっと、今晩も被害者が出ている。
「ちっ……」
女の舌打ちに、転がっている男は身体を震わせた。
何故なら女は、隣に立つ男でさえ怖いと思う程 殺気が出ている。
「り、龍神を殺ってるのは 殺鬼 っつー暴走族なんだよ!」
男は自分の命の危機を感じたのか何なのか、大切な情報を漏らした。
気付いた時には遅く、
「へぇ…殺鬼、ねぇ。」
女は口の端を上げていた。


