眠り姫と総長様 II


「り、龍神は俺じゃねぇ!」


「嘘つくんじゃねぇぞ。」


地を這うような声に怯むも、違うと言い張る男。


「お、俺たちじゃねぇ!」


「じゃあ誰が殺ったんだ」


「城田蓮は確かに俺たちだ!
だけど龍神は違げぇ!信じてくれ!」



必死に懇願する男の発言に、新たな問題が生まれた。


最近、相次いで闇討ちに合っている龍神の犯人はべつにいる。


やっと捕まえたこの男ではないとすると………


きっと、今晩も被害者が出ている。



「ちっ……」


女の舌打ちに、転がっている男は身体を震わせた。


何故なら女は、隣に立つ男でさえ怖いと思う程 殺気が出ている。



「り、龍神を殺ってるのは 殺鬼 っつー暴走族なんだよ!」



男は自分の命の危機を感じたのか何なのか、大切な情報を漏らした。



気付いた時には遅く、


「へぇ…殺鬼、ねぇ。」


女は口の端を上げていた。