残ったのは、男2人と女1人。
………と、身体を縛られ口を塞がれている昼間のもう1人の男。
10代くらいの男が、転がっている男の口のタオルを取る。
「山崎組の幹部候補 池田トシオ。」
転がっている男の名前を、憎々しげに呼んだ女。
「っ……な、なんだよ!
俺は話さねぇぞ!」
「……龍神と城田蓮を殺れば、幹部に昇格出来るとでも言われたか。」
「な、なんで分かるんだよ!」
「てめぇみたいなバカは、そうやって良いように使われて棄てられるんだよ。」
「翼さんはそんな事しねぇ!」
「……どうでもいい。」
女は、拷問が終わったら死ぬ男の事情なんてどうでも良いのだ。
ただ女と男は、自分の仲間が殺られた事を怒っている。
自分の仲間を殺った男に、情けをかける事も手加減する事もない。


