人格が変わったみたいなお嬢を、当然だけど驚いて見ているウチの幹部。
俺だって今だに見慣れてないんだから、当たり前っちゃ当たり前。
…いや、脈絡もなく突然切り替えられたら誰だって戸惑うか。
俺と湊はもう切り替えたみたいだけど。
「…隆斗。」
「なに?」
「車を一台。地下を開けとくように。」
「…わかった。」
未衣のその言葉により、部屋の空気は変わる。
車を呼ぶのは、蓮を殺った男2人を篠原組に連れて行く為。
地下を開けるのは、篠原組の地下室が拷問する時に使われる。
つまり、そいつらから色々情報を引き出す為の指示。
ただならぬ雰囲気に、誰も口を開かない。
俺は篠原組の幹部の一人に電話を掛け指示をする。
電話を切ると
「案内して。」
お嬢は動き出す。
俺はそれに従い、男2人の居る下の部屋に先頭に立って案内する。
それに黙って着いてくる全員。


