眠り姫と総長様 II


人格が変わったみたいなお嬢を、当然だけど驚いて見ているウチの幹部。


俺だって今だに見慣れてないんだから、当たり前っちゃ当たり前。


…いや、脈絡もなく突然切り替えられたら誰だって戸惑うか。


俺と湊はもう切り替えたみたいだけど。


「…隆斗。」


「なに?」


「車を一台。地下を開けとくように。」


「…わかった。」



未衣のその言葉により、部屋の空気は変わる。


車を呼ぶのは、蓮を殺った男2人を篠原組に連れて行く為。


地下を開けるのは、篠原組の地下室が拷問する時に使われる。


つまり、そいつらから色々情報を引き出す為の指示。


ただならぬ雰囲気に、誰も口を開かない。


俺は篠原組の幹部の一人に電話を掛け指示をする。



電話を切ると


「案内して。」


お嬢は動き出す。


俺はそれに従い、男2人の居る下の部屋に先頭に立って案内する。



それに黙って着いてくる全員。