未衣を奪い返す為に空いている方の腕を引っ張って引き寄せようとしたのに
またも邪魔をしてくる湊。
湊と言い争ってると、俺たちの間をすり抜けて航輝に抱きついた未衣。
そこで怒りの矛先は航輝になる。
そしたら今度は未衣が蓮の寝ているベットに逃げて、
「……制裁しないと。」
ポツリと、そんな事を呟いた。
その姿はとても冷たく恐ろしい。
怒りを含んだ声に纏う殺気。
……本当に未衣は切り替えが早すぎる。
裏社会において、絶対に怒らせてはならない人間。
篠原組お嬢は怒っていた。
「クスッ」
未衣…お嬢は、冷たい笑みを浮かべ、そして見る者を魅了した。
怒った彼女を止める事は出来ない。
俺たちに出来ることはただ一つ。
彼女に従うのみ。


