眠り姫と総長様 II


「バケモノ……」


ひでぇな……


でも、1人で組を潰すなんて不可能じゃ……


「はっ…!
今のは忘れてや!
これは裏社会で禁句ワードなんやっ!
もし誰かが聞いてたらいくらお前らでも殺されてまう!
すまん!今のは忘れい!」



……と、突然真っ青な顔で忘れろという男。


この男が何を思ってそう言ったのか、分からない。


「これだけはダメやったんや!
すまんすまん。
真面目に今のは忘れろ。」


「……んな事聞いた事ねぇぞ。」


「そりゃそうや!
あの事件は篠原組が総出で動いてもみ消したんやから。
知ってなくて当然や。」



もみ消したって……


こいつの話を聞いてると、俺たちの知っている未衣がどんどん離れていく。


聞きたくねぇ。



「まぁいい。高宮湊。
篠原未衣は必ず俺がもらう。」


「……未衣は渡さねぇ。
必ず潰す。」


「ふんっ、俺はもう行くわ。
また会おーや、高宮湊。」


「……二度と現れるな。」



それだけ言って、車に乗り込み去っていった男。


まるで嵐のような男だ。


いきなり現れてしっさと消えるとか……



まぁ取り敢えず、この先嫌な予感がするのは確かな事だった。