少しすると、今まで睨み合っていたみーくんと湊が
「おい一樹!
なにちゃっかり未衣に触ってやがる!
今すぐ離せ!」
「クソじじい!
俺の未衣に触ってんじゃねぇぞ!
今すぐその手を離しやがれ!」
息ピッタリにハモって似たような事を言う。
「だってお前らが喧嘩してるから未衣がヒマそうだったし?
まだ勝手に喧嘩してていいよ。」
一般人なら倒れるんじゃないかって疑う程の眼力でいっちゃんを睨む二人。
「おい湊。一樹が一番の敵だ。
さりげなく良いポジションとってやがる。」
「そうっすね雅さん。
未衣に密着しやがって…クソじじい。」
……喧嘩する程仲が良い、みたいな?
意見が一致し過ぎでしょ。
「わぁお。天下の冷酷な組長さんと、感情を見せないバカ息子が感情だだ漏れだよ。
未衣はやっぱ凄いね。」
二人に睨まれながらもなお、気にせず笑っているいっちゃん。


