眠り姫と総長様 II


「お前昨日、何も知らないって言ってたじゃねぇかよ。」


「あーあれウソウソ。」


「あぁ?」


何でもない風に言うなよ。


「だって湊、顔に似合わず信じやすいからさー。騙してみた。」


「ちっ…」


「俺は山崎との食事に行ってないけど、報告受けて組長と未衣と一緒に篭ってたよ。」


「なんでてめぇは行ってねぇんだよ。」


若なら普通行くだろ。


「だって俺、関西人特有のテンション嫌いだし。
代わりに未衣に行ってもらった。」


「………」


チラリと未衣を見ると、微笑んでくれた。


だから微笑み返すと


「…俺仕事あるし行くわ。
久しぶりの再会でもゆっくりしてれば。
あ、ヤルのは禁止ね。」


ヒラヒラと手を振って部屋を出て行った隆斗。


あいつなりの気遣い…てことにしとく。


てことで今、未衣と二人きりだ。