「お前昨日、何も知らないって言ってたじゃねぇかよ。」
「あーあれウソウソ。」
「あぁ?」
何でもない風に言うなよ。
「だって湊、顔に似合わず信じやすいからさー。騙してみた。」
「ちっ…」
「俺は山崎との食事に行ってないけど、報告受けて組長と未衣と一緒に篭ってたよ。」
「なんでてめぇは行ってねぇんだよ。」
若なら普通行くだろ。
「だって俺、関西人特有のテンション嫌いだし。
代わりに未衣に行ってもらった。」
「………」
チラリと未衣を見ると、微笑んでくれた。
だから微笑み返すと
「…俺仕事あるし行くわ。
久しぶりの再会でもゆっくりしてれば。
あ、ヤルのは禁止ね。」
ヒラヒラと手を振って部屋を出て行った隆斗。
あいつなりの気遣い…てことにしとく。
てことで今、未衣と二人きりだ。


