眠り姫と総長様 II


「資料。」


「どうぞ。」


淡々としたやり取り……と言うか単語だけの会話。


「…とりあえず、ここ10年の山崎の動きだ。」


「この量をたった1週間で?」


親父がそう思うのも無理はない。


机に広げられた資料は、余裕で100枚を超えている。


これをたった1週間で調べ上げるなんて並大抵ではない。


「この1週間、未衣と隆斗と一日中部屋に篭って調べた。」


「隆斗は昨日会った時、何も知らないって言ってましたよ?」


確かにあいつ言ったぞ。


未衣と雅さんと秦さんが何かをやってて俺は何も知らないって。


「隆斗、昔からイタズラ好きだからそれは嘘だろ。
なんならあいつ呼ぶか?」


「お願いします。」


ウソつくなよ隆斗。


まぁ、本人に聞いた方が良いから雅さんの言葉に甘える。


…さりげなく未衣に密着しているのを我慢しながら。