眠り姫と総長様 II



未衣に特に変わった様子はなく、相変わらず会合では無表情だ。

見慣れてしまえば気にならない。


「急に集めて悪いな。
まぁ、簡単に言えば緊急の用事だ。」


雅さんの一言により、離れの空気は変わる。


今まで緊急で会合が開かれた事なんてなかったからのもある。


「緊急とはどういう?」


親父が雅さんに言うと


「一週間前、2代前から休戦していた関西を束ねる山崎組と食事をして来た。」


その一言でザワザワし出す離れ。


山崎組は関西1の勢力を持つ組で、敵をジワジワ追い詰めるのが好物という悪趣味な組で有名だ。


「山崎と?何故だ。」


「向こうからコンタクトを取りやがって来た。
こっちに用事があって来たついでに、ってな。」


「……それで?」


難しい顔の組長方。