未衣に特に変わった様子はなく、相変わらず会合では無表情だ。
見慣れてしまえば気にならない。
「急に集めて悪いな。
まぁ、簡単に言えば緊急の用事だ。」
雅さんの一言により、離れの空気は変わる。
今まで緊急で会合が開かれた事なんてなかったからのもある。
「緊急とはどういう?」
親父が雅さんに言うと
「一週間前、2代前から休戦していた関西を束ねる山崎組と食事をして来た。」
その一言でザワザワし出す離れ。
山崎組は関西1の勢力を持つ組で、敵をジワジワ追い詰めるのが好物という悪趣味な組で有名だ。
「山崎と?何故だ。」
「向こうからコンタクトを取りやがって来た。
こっちに用事があって来たついでに、ってな。」
「……それで?」
難しい顔の組長方。


