「なぁ、ずっと思ってたんだけどよ。
普通、組のお嬢って仕事するもんなのか?
なんで未衣は仕事してるんだ?」
口を開いたのは航輝。
それは俺も気になっていた事。
お嬢が仕事をするなんて、少なくとも俺は聞いた事ない。
なのに未衣はなんで仕事してるんだ?
「お嬢は、篠原の血を最も濃く継いでいる。
それにお嬢は、6歳の時から組長の仕事先に着いて行っていて人脈は広く人望も厚い。
それに加えて、上に立てるだけの実力がある。
だからお嬢には個人的にも、組からも仕事がたくさん来る。」
「そんな小さい時から……」
「立場的に言えば、俺よりお嬢の方が上だ。
…普通は逆なのにな。」
自嘲笑を浮かべる隆斗。
こいつなりの苦労があるらしい。


