「そ、そや。
コイツからその嬢ちゃんに話があるみたいでな?ほれ。」
コイツ…と呼ばれたのは関西弁の男の隣に座っていた男。
20代前半のその男は、関西弁の男の息子のようだ。
嬢ちゃん…と呼ばれたのはスーツの男の隣に座る無表情の女。
スーツの男と同じ冷たいオーラを纏う、絶世の美少女だ。
「俺はあんたに一目惚れした。
俺の女にならないか?」
男は率直に、必要な言葉だけを述べる。
その言葉に、今まで表情を変えなかった彼女は眉をピクリと動かす。
部屋の温度が何度か下がった気がする部屋。
「…ならない。」
彼女もただ、それだけを述べた。


