眠り姫と総長様 II


「俺っちさっきも思ったんだけどさ、
姫ちゃんって二重人格?」


「違うよ?
あたしはあたしで、私は私。」


「それってどういう事?」


「仕事してる大人ってさ、仕事とプライベートでオンとオフって切り替えるでしょ?」


「そうだね。」


「それと同じ。
プライベートは"姫野未衣"。
仕事の時は"篠原未衣"。
切り替えてるの。」


つまり、俺たちと居るときは完全にプライベートらしい。


家に帰ると仕事になる、と。



「信じられないけど……そっか。」


「そういうことー」



怖がられる事を恐れていた未衣は、案外普通の反応をされてビックリしているが

その普通の反応が嬉しそうで、笑顔だった。