「んー、簡単に言っちゃうのはつまらないでしょー?
だからまず、あたしの問題に答えて下さい」
「問題?」
張り詰めた空気の中、一人楽しそうに笑顔を浮かべる未衣は側から見ると異質だ。
張り詰めているのは忍達であって、正体を知っている俺たちは口を挟まず傍観するだけ。
「問題です。
裏社会において、絶対的な権力と力を持つ男は誰でしょう」
その問題に答えたのは忍。
「……湊の父親で高宮組組長の高宮一樹さんと
篠原組組長の篠原雅さん。
じゃなかった?」
「せーかい!」
「でもそれが何に繋ーー「次の問題です」……」
忍の言葉をわざと遮って、次の問題を出す未衣。
握っていた俺の手を強く握り直している。


