眠り姫と総長様 II


「んー、簡単に言っちゃうのはつまらないでしょー?
だからまず、あたしの問題に答えて下さい」


「問題?」


張り詰めた空気の中、一人楽しそうに笑顔を浮かべる未衣は側から見ると異質だ。


張り詰めているのは忍達であって、正体を知っている俺たちは口を挟まず傍観するだけ。



「問題です。
裏社会において、絶対的な権力と力を持つ男は誰でしょう」



その問題に答えたのは忍。


「……湊の父親で高宮組組長の高宮一樹さんと
篠原組組長の篠原雅さん。
じゃなかった?」


「せーかい!」


「でもそれが何に繋ーー「次の問題です」……」



忍の言葉をわざと遮って、次の問題を出す未衣。


握っていた俺の手を強く握り直している。