ガチャ
ドアを開けて幹部室に入ると、全員集まっていた。
騒いでいたであろう部屋は静かになり
全員の視線は、俺に姫抱きをされている未衣へと注がれる。
「待たせた。」
誰一人喋ることのない、普段からは考えられない幹部室。
一番うるさい大翔は、未衣を凝視している。
「湊湊、隣座る」
「大丈夫か?」
「"あたし"は平気だよー?」
今日、もう一つ分かったことがある。
それは、"姫野未衣"と"篠原未衣"で一人称が違うこと。
姫野ん時は"あたし"。
篠原ん時は"私"。
だから今、姫野未衣。
だから俺は、未衣を俺の隣の定位置に下ろす。


