眠り姫と総長様 II


ガチャ


ドアを開けて幹部室に入ると、全員集まっていた。


騒いでいたであろう部屋は静かになり
全員の視線は、俺に姫抱きをされている未衣へと注がれる。


「待たせた。」


誰一人喋ることのない、普段からは考えられない幹部室。


一番うるさい大翔は、未衣を凝視している。


「湊湊、隣座る」


「大丈夫か?」


「"あたし"は平気だよー?」


今日、もう一つ分かったことがある。


それは、"姫野未衣"と"篠原未衣"で一人称が違うこと。


姫野ん時は"あたし"。

篠原ん時は"私"。


だから今、姫野未衣。


だから俺は、未衣を俺の隣の定位置に下ろす。