眠り姫と総長様 II


でも、


「あのクズ……」


男にしては少し高い声と共に


シュッと何か棒が、俺の横を通り過ぎた。


「……ぇ……」


ちょ、怖いんですけど。


ゴンっと鈍い音を立てて、カランと何かが落ちた。


後ろを向けば、湊の後ろで頭から血を流したナイフを持った男と……鉄パイプ。


鉄パイプが来た方向を見れば、



湊に劣らない殺気を身に纏った……いや、湊以上だ。


この子は俺たちなんかよりもずっと強い。


「姫……ちゃん?」


若干震えた俺の声は聞こえなかったらしい。