眠り姫と総長様 II


「もう来ちゃったのかよ」


残念そうな男の声。


大丈夫。大丈夫。

湊が助けに来た。もう怖くない。

落ち着けあたし。


「スゥー、はぁー。よし!」


やっぱりスゴイ。


湊が助けに来てくれただけで、乱れていた呼吸はすぐに直った。


「あ、良かった眠り姫様。落ち着いたんだね。
んじゃ、あいつらんとこ行くか」


「手離して!」


「えー、だって逃げ出すじゃん」


「逃げないもん!」


湊の気配があるだけで、あたしは強くなれる。


「しょうがないなー。じゃあ、取り敢えず前歩いてね?」


「………」


この人、総長なのにゆるくない?


まぁ、そっちの方が有難いけど……